研究成果
1.自然な動きを助けると可動域が広がる。
人間に限らず、自然界の動植物は生存の為に最適な身体と行動の自由を常に維持しようとしている。
それは生存競争を生き抜く為に不可欠の要件である。
その為に体内で必要なものを発達させ、不必要なものは即座に回収し、必要とする部分へ振り向けるようにしているのである。
これは常に自分自身の持つ全ての能力を必要なところへ投入するという戦いの原則に則っているのである。
そして、これこそが環境適応の根源的活力である。
この世界、この世は適者生存の原則で初めて成立しうるのである。
生存の為に知恵を使うもの、力を使うもの、速さや、空を飛ぶ事や、水中に活路を求めるもの、土中や密林や林や川の中、池の中、湖の中、あらゆる所に生存の可能性を求めて、もてる力を最高限度発揮する事を求められている。
競争や戦いと言うと忌み嫌う平和主義者がいるが、その人は他の生物の命を奪って生きていることを全く考えてもいないのである。
以下省略
2.不自然な動きを阻止すると可動域が広がる。
上記1.の反対表現であると同時に、動作転位の理論的根拠を表現した原理条項である。
動作転位の発見からこの原理に思い至った。
不自然な動きを阻止する事は、身体に自然な動きをさせるということである。
以下省略
3.筋肉、神経は呼気で牽引すると弛緩する。
筋肉は緊張して、牽引する能力しかない。
組織が柔軟な構造になっているので、押す力はないのである。
これは同時に筋肉自身は弛緩する事ができない事を意味する。
そこで、身体にはこれに対応する拮抗筋が必ず存在する。
腕を屈曲する動作を考えると、腕を曲げる時は内側の筋肉が緊張し、腕を曲げる。
この時に外側の筋肉は牽引され弛緩する。
即ち伸びるのである。
この両者が拮抗筋である。
反対に腕を伸ばすときは外側の筋が緊張して牽引し、内側の筋は牽引されて伸びるのである。
以下省略
4.身体を反らせる動作は吸気で可動域が広がる。
身体を反らせる為には腹腔内が拡張していなければならない。
その為には肺に空気が一杯入っている必要がある。
以下省略
5.上肢は回内すると挙上し易くなる(回外は反対)。
これは自分で両手を挙上してみるとすぐに判る。
両手首を回内して上げるであろう。
以下省略
6.筋肉、神経は吸気で牽引すると可動域が狭くなる。
本文省略
7.身体の屈伸の基準は静止位置を基準とする。(特定の形を基準とするのではない)
身体は静止状態から動かしたときに、屈曲したか、反らしたかを判断する。
以下省略
8.脳の判断基準は静止の状態で決定される。静止は一瞬で良い。
本文省略
9.手法が脳に環境として決定付けられるのは静止した瞬間である。これを決まると言う。
故に手法は一瞬の静止を必要とする。
手法は動きのある状態では脳に対する決定的環境にはならない。
安心できないからである。
以下省略
10.身体の脳は環境の変化を最初は全て攻撃と見なして緊張する。その後に敵味方を判断する。
それは安全か危険かと言う事である。安全を確認した後に全身の緊張を解く。
瞬時触定の原理である。
全ての環境に対し、安全だという前提で行動すれば、命は幾つあっても足りない事になる。
以下省略
11.環境に対する反応は全身を使う。
獅子はウサギ相手にも全力を尽くすという例えがある。
獅子だけではなく、野生の動物は戦いにおいて、相手を侮る事はしない。
相手が弱くても、無用な戦いは避けるのが常である。
以下省略
12.心の脳は思考し、身体の脳は反応する。身体の脳は考えない。考えている間に生命を失う危険性があるからである。
これは生き残るための大原則である。
身体は常に外部の環境に対して、休みなく反応し続けている。
ほんのわずかの気温や気圧、湿度などにも、意識の脳では感じ得ない微細な変化を関知し、対応(順応)しているが、その為の原則は全ての環境は危険であるという前提に立っているのである。
以下省略
13.身体の歪みは学習と過剰防御反応の結果である。
身体の歪みの根源は一体何であろうか?なぜ起こるのであろうか?
これを考える前に、幼児の頃を思い出してもらいたい。
両手足を動かすことから始まり、寝返りを打てるようになり、ハイハイをして、四つ這いができるようになり、伝え歩きをし、よちよち歩きができるようになり、そして両足で立って歩行ができるようになるのである。
これら一連の動作は毎日の反復訓練で初めて可能となる。
そして、身体の脳が自身の身体をどう動かすかを覚え、心の意識の命令に基づき、あらゆる運動動作が可能になるのである。
これが学習効果であり、運動も武道もあらゆる動作が無意識的にできるようになる。
以下省略
14.身体の脳は身体改造を命令し実行できる。(例、リウマチ、骨形成、骨溶解、ガングリオン)
身体の脳は必要であれば、自らの身体を自在に改造する能力を持っている。それが、適応力の源なのである。
しかし、それは適応であって進化ではない。
何故なら、「進化は退化と一体のものであるからである。」
以下省略
15.身体の脳は心の脳の命令によって反応するが、危険を感じたときには従わない事がある。
身体の意志は自らの身体を常に健全に保ち、生存しようとすることに全精力を傾けているのである。
これは生命体の根源的意志であり、使命である。
この為、心の脳、心の意志がこれにそぐわない命令を下しても、従わないことがあるのである。
以下省略
16.脊髄反射は身体の脳の下部組織への権限委譲である。
緊急を要する場合の身体の反応をより早く行うために、脳への報告と脳からの命令を待てない場合のために、脊髄反射がある。
以下省略
17.感覚器官(五感、感情脳)は身体の脳に直結している。
情動である。
人 間は不安を感じると心臓の鼓動は速まり、呼吸も早くなる。このような場合、人間は心の脳の意志とは関係なく、五感で感じて不安になる場合や、それ以外の理 由のない不安を感じる時があるが、これは、感覚がそのまま身体の脳に直結して、その反応を引き出しているのである。
以下省略
18.身体の真の支配者は体の脳(生命中枢)である。
一般には、自分の身体は自分が一番良く知っているなどと言うように、あたかも自分自身が身体の全てを知っていて、支配しているように思っているが、実際は何もしていないし、何も知ってはいない事を知らないのである。
以下省略
19.身体の脳は動きの速さに恐怖し、緩慢な動きに安心する。
早さに恐怖を感じるのは、相手が自分の動きより早いと、その相手から逃れられないと感じるからである。
以下省略
20.動きの速さの基準は自分自身の身体の動きを基準とする。
前項に関連して、相手の動きに対して恐怖を感じる時の早さの基準は自分の動ける早さである。
以下省略
21.環境に対する基準は身体の経験による。(相対温度等)
身体の脳は、環境に適応するために動物も人間も季節変化、一日の気温などの変化、地域による寒暖の差などを記憶し、それに対応しようとしている。
以下省略
22.身体の脳は危険を感じた経験の殻に閉じこもる。その殻の強さにより、手法に対する反応も遅くなる。
身体の脳は環境から身を守るために、最後の手段として身体を固くして対応する。
これは完全防御の態勢である。
以下省略
23.身体の脳は条件反射をも制限する事がある。(牽引にも抵抗する事がある)
第3条で述べたように、筋肉は牽引されると条件反射として弛緩するようになっているが、この条件反射をも制限してしまうことがある。
以下省略
24.気温の上昇過程(春先)には低温が身体に影響し、気温の下降時には高温はあまり影響しない。
故に春から夏にかけての低温は強く影響する。(花粉症等)
季節と体調の関係は冷え性のことでも説明したが、絶対温度が同じであっても、季節により、感じる温度(体感温度)は全く違う。
人間のような定温動物にとって、寒さは生命を維持するためには、厳しい危険な環境である。
しかし、暑さはそれほど問題にはならないのである。
以下省略
25.筋肉の可動域は限界を超えた付近での牽引により大きくなる。
筋肉が緊張している時に牽引すると十分に伸びきらずに、逆に緊張が起きる事がある。
この時発生する痛みが緊張痛である。
以下省略
26.身体の脳は優しい接触にはその部分を弛緩して対応し、強い刺激には緊張する。
身体の脳は新しい環境に対応する際に、最初は全て敵又は危険なものとして、対処することは既に述べたが、一旦その判断ができた時には緩やかで優しい接触にはその部分を弛緩させて受け入れ、強い刺激、環境には危険を感じて、身を守るために筋肉を緊張させ反発する。
以下省略
27.椎間板の固定化現象は年齢に関係なく生じる。
ある一定の姿勢を長時間続けると、椎間板はその姿勢のままになり、固定化されてにわかには動きにくい状態になる。
以下省略
28.椎間板固定化の回復には5~10秒程度必要とする。
本文省略
29. 痛みは身体への危険警報であり、その部分を修復するための合図でもある。
痛みは身体を護るための危険警報であり、痛みを感じるからこそ、それから逃れようとして結果として身を護る事ができるのである。
痛みを感じなければ、危険を察知できず、結果として生命を全うできない。
また、一方で痛みは身体を修復するための合図でもある。
以下省略
30.痛い方向に動かせば、状態は悪化し、痛くない方向へ動かせば治る。
痛みは危険警報であることは上記で述べた。
このことは痛い方向へ動かすことは身体にとって危険であると言うことである。
以下省略
31.武道における関節技は痛くないようにやればそのままで手法となる。
武道における関節技は可動の限度を超えて行動の自由を奪い、相手を打ち負かす目的の技である。
以下省略
32.身体は常に健全な側に合わせて左右同一にしようとする。
人体の恒常性(ホメオスターシス)である。
以下省略
33.身体は常に治りたがっている。
人体の恒常性(ホメオスターシス)である。
以下省略
34.身体は生きている限り必ず治る。
細胞は常に再生(治る)されている。
だから全ての生き物は生きている。
以下省略
35.生き物は生き物を食べて生きる。食べ物はそこにある物、生きている物を食べればよい。
過去から今まで、生きてきた人間は、薬も特別の栄養素や多種類の食べ物を食べずに生きてきているのである。
昔は皆偏食であった。
以下省略
36.現前の環境に適応する為に、使わざる物は退化し、使う物は発達する。
自然界は現前の環境に適応した者だけが生き残るようになっている。
これは「進化」ではなく、「適応」である。
以下省略
37.「損屈」によって起こる症状はそれを引き起こして原状に戻す事で解消する。
「損屈」とは強組織(皮膚、筋肉、骨格)に挟まれた軟組織が疲労を起こして、細胞の形を損じ、変形して潰れた状態になった事と定義する。
以下省略
38.内傷(体内組織の剥離)は原状回復した状態で20秒以上固定すれば、内傷は完治する。
「内傷」とは体内の傷、剥離と定義する。
例を挙げれば、靱帯組織の剥離がある。
以下省略
39.「内臓病の原因は背部の筋の緊張である」(治癒理論、第三十九条)
このような事を書くと現代医学の信奉者の大方の叱声を買うであろうが、これは事実である。
現代医学で言う、内臓反射は原因と結果を全く逆に捉えている。
背部の筋群の緊張は交感神経の緊張で起こる。
そして、交感神経の緊張は副交感神経の休止と表裏一体である。
この事は現代医学の常識である。
以下省略
40. 「痛みは神経、筋肉、組織の緊張によって発生する」(治癒理論、第四十条)
例えば、虫歯の痛みも治療によって数分以内に治る。
歯科医で言われている様に虫歯菌が神経を刺激して痛みが発生するのではない。
だから自然形体の治療によって痛みはその場で消失し、鎮痛剤を服用して痛みを止めた場合と違い、数日以上は痛みは再発しない。
胃の痛みもそうである。
胃が痛い時は胃が収縮した状態を感じることができる。
胃腸も筋肉でできているので、収縮(緊張)した時に痛みが発生する事は誰でも経験した事があるであろう。
筋肉が張る、吊る等の事も同様に筋肉の緊張状態なのである。
また拡張、膨満、萎縮も緊張の一種である。
癌が痛くないのは癌それ自体は他の組織や臓器に緊張をもたらす者ではないからである。
癌は単に存在し、増殖するだけで、その増大によってせいぜい他の臓器を圧迫するだけで、その影響は脂肪よりも遥かに軽微である。
ところが、一般には癌の闘病生活は凄絶な痛みと苦しみが伴うとして、最も恐れられているのが、現状である。
本来、痛みを発生しない癌が、全く逆に激しい痛みで苦しむ病気として考えられている。
このような大きな誤解は一体、何処から来るのであろうか?その原因を以下に於いて記述する。
以下省略
平成20年7月12日
自 然 形 体 療 法
創始者 山 田 洋
